2017/04/30

好きとか嫌いとかの話

インターネットで起こったこと



CASE 1

AさんはとあるTVアニメのストーリーに関する批評をTwitterで書きました。
曰く「結果に至るまでの過程についての描写が足りなかった。もっとそこを重視すべきだった」と。

それを見たBさんは「俺の好きな作品を貶しやがった。許さん」と憤り、「楽しんでいる人の気持ちに水を差すんじゃない」とリプライで文句を言いました。


CASE 2

AさんはAmazonで画面比16:10液晶ディスプレイのレビューに「HDMI対応だけどゲーム機やレコーダーとかに接続して使うと映像が縦に引き伸ばされてしまうから、そういう機器で使うつもりの人は買わない方が良いよ」と書きました。
実際にその製品は縦横の比率を保持したまま16:9の映像を写し出すことが出来ないので、彼の言う事は真実でした。

それを見たBさんは「買わない方が良いとはどういう事か。お前がちゃんと説明書を読んでいないだけじゃないのか」とレビューに対してコメントを書きました。
Bさんはこの製品を持っていません。


CASE 3

Rさんはとあるスマートフォンアプリについて「最近始めたんだけど、この仕様が苦痛だし良くない」という記事をblogに書いて公開しました。
彼が指摘したアプリの仕様は実際に存在するものです。

それを見たBさんは「それはお前が最近始めたからそう感じるだけで、もっと前からやってる人はみんな何とも無いし、早くから始めなかったお前が悪い」と言いました。
またCさんは「それは単なるワガママでしょ。みっともない。やりたくないなら辞めれば?文句言いながら続ける様子なんて見せられても気分悪いし」と言いました。

すると今度はAさんが「私はこのアプリが配信された初日にインストールして触ってたけど、Rさんと同じ事思ってるよ。それは始めた時期とか関係無く、このアプリの明確な欠点だよ」と、更に「運営はこの欠点を治すつもりが無いみたいだし、愚痴をこぼしたらこんな風に他の人から文句を言われるし、こんなアプリ始めない方が良いよ」という記事をblogに書いて公開しました。
Aさんが初日にアプリを始めた事も、彼が指摘した理由の根拠も全て本当のことでした。

そうして最後にDさんが「人が楽しんでるものを"始めるな"とはどういう事か。楽しんでいる大勢の人達への配慮は出来ないのか」と言いました・・・。


つまり何が言いたいの?

「お前が嫌いでも俺は好きなんだ」と
「お前が嫌いでも俺は好きなんだ。俺の気持ちを否定する発言をするな。」
は全然違うよ。ってこと。
「他人と違う自分の気持ちを発信すること」は悪い事でも何でもない。
でも、
「自分と違う気持ちの人を認めない事」
「違う気持ちの人の発言を止めさせること」
はおかしいんじゃないの?

そして、AさんやRさんは
「自分は嫌い」「ここが良くない」「だから買わない/やらない方が良いと思ってる」
としか言ってないよ。ってこと。
そう、「これを好きな人達が存在するだけで私は不愉快だから、考えを改めるか今すぐ消えてください」なんて一言も言っていないんだ。

わかったかな?