2017/08/24

オタクとは何か

「(深夜アニメ)オタクなら、世代じゃなくてもonly my railgunくらい知ってるでしょ」



まずオタクとは何か。

世間一般で用いられる「オタク」という言葉は恐らく
「社交的な能力が低く、外見や言動がキモい人」というニュアンスだろう。
確かにコレもある意味では真実だと思う。
学生時代に同級生と一緒にカラオケやボウリング、ゲーセンなどで遊んだり出来なかった奴が、深夜アニメやギャルゲーといったいわゆるオタク的なコンテンツに逃げた。
結果として社交的な能力に欠けてキモい奴がオタクになった。
いや、「オタクにならざるを得なかった」。
そういうケースの人物が現代における「オタク」のステレオタイプとして認識されている節はある。

だが今回取り上げたいのはそういう外見的な意味ではなく、もっと内面とか精神構造的な意味での「オタク」という定義についてだ。
とはいえ、軽くwikiれば分かるように、最初は「オタク」ではなく「おたく」だったとか、そういう細かい話をするつもりも無いので結論だけ書こう。
「内面的な意味のオタク」とはつまり、
「自分が選んだ物事について熱心に関わる人」の事ではないかと私は思う。

ここで冒頭の文章に話を戻そう。
8月22日に「BanG Dream!」というアニメの音ゲー「バンドリ! ガールズバンドパーティ! 」に「only my railgun」という楽曲のカバー版が収録される事が発表された。
それに対して某掲示板に「また知らないアニメか・・・もうメジャーどころは出さないのかな?」と書かれた訳だが、それを見た人々から発せられたのが冒頭の言葉という訳だ。



では「深夜アニメオタク」とはどんな人か?

 毎期視聴可能な深夜帯の新作アニメを最後まで全て見ている人。
 あるいは見られる全ての新作を自分の目でチェックしてから継続して見るかどうか決めている人。
 はたまたそれだけでなく過去に放送された作品を自分で選んでレンタル等で見る人。

これらの人は内面的な意味で深夜アニメオタクと呼んでも差し支えないかと思う。
そして彼らはリアルタイム世代じゃなくても「とある科学の超電磁砲」やその主題歌「only my railgun」くらいはだいたい知ってるだろう。


では何故「また知らないアニメか」とプレイヤーに言われてしまったのか。
それは「アプリのプレイヤー」≠「深夜アニメオタク」だったからだ。

はっきり言おう、
「今の時代において、深夜アニメやそこから派生したコンテンツを楽しんでいるからといって、その人物がオタクとは限らない」のだ。
もはや「深夜アニメに抵抗がない普通の人」の方が全体の過半数を占めているだろう。
彼らはオタクでも何でもない。
深夜アニメに抵抗が無く、ただ面白いから見ているだけでその歴史や背景には興味が無い普通の人なのだ。

つまり「オタクなら知ってるでしょ」というその言葉、向けられた相手はそもそもオタクではなかった。
というか、この言葉を発した本人もオタクではない可能性がある。
もしこの記事を読んでいる貴方がまさに冒頭の文章と同じ事を思ったのであれば、よく考えてみて欲しい。


「貧乳はステータスだ」という言葉の原典は泉こなた。ではない事を知っていたか?
「よろしい ならば戦争だ」の「戦争」は「せんそう」とは読まない事を知っていたか?
「ぱにぽにだっしゅ!」というアニメのタイトルが何故「だっしゅ!」になったか知っているか?
ヒロインが全て双子の恋愛シミュレーションゲームおよびアニメ作品を知っているか?
最後のガラスをぶち破るのは何という作品?
「BPS」といえば?
「共感覚」といえば?
「12人の妹たち」といえば?
「隕石」「アイドル」 といえば?
「雑誌企画から始まった架空アイドルプロジェクト」といえば?
「文学」「芸術」「人生」それぞれ何と何と何?
「一億年と二千年前から愛してる」で有名なあの作品を全話見たことがあるか?

これらの過半数を知らない、見たことがない人は恐らくこの分野においては「オタク」ではない普通の人に該当すると私は思う。


追記
あと、ガルパのカバー曲ラインナップが知らない曲ばっかでつまんねーと思っている人へ。
既存ラインナップをざっと見た限り、25~35歳以外の年齢層は運営からガン無視されていると思われるので、どうかその矛を収めて諦めて欲しい。
すまない。
きっと君たちにはハッピーサマーウェディングや天体観測なんて「いにしえの曲」だとは思うが、耐えるしか無い事をどうか分かって欲しい。